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ロマンチック台三線芸術祭

「ロマンチック台三線芸術祭」は、おもに台湾の第二民族「客家」(ハッカ)の文化をアピールする目的で開催されている芸術祭です。今年は3年ぶりの二度目の開催を迎えます。

台湾西部を南北に横断する内山公路――台三線沿いに、台北、桃園、新竹、苗栗、台中の5県市、17の客家の町にわたって、台湾のほぼ半分にまたがる150キロメートルの長さ、会期65日からなる芸術祭となっています。

この省道が通過する複数の県や市の僻地や山麓地帯には多くの客家の町があります。かつては平地原住民の平埔族や山地原住民の居住地でした。漢民族入植により土地や生活に起因した衝突が頻発するようになり、一帯には各種族を隔てる境界線が形成されていきました。こういう厳しい環境下で客家人の苦労に耐え、困難を恐れず、生活の改善に向けた取り込み、良い人間関係を築くといった生活に必要なスキルと精神が培われました。

今回の芸術祭はより多くの人々が客家文化の魅力を知ってもらい、触れ合いできるように、イベントのキービジュアルは客家の風土の要素を取り入れたカラフルで可愛い挿絵をしました。また会期中に各地域の客家飲食店45軒と台三線沿いのコンビニエンスストア(ファミリーマート)と提携し、新・客家グルメを提供する予定です。7カ国から計50人のアーティストと21組のデザインチームを招き、客家文化園区、産業史跡、客家の寺院、洋館・歴史建造物などに、90を超えるアート作品を展示します。日本からこのプロジェクトを参加するアーティストも何人います。

客家の美学を今に伝えるこの芸術祭は、環境・歴史・文化・信仰・生活などを総合的にとらえ、地域の記憶を深く伝えるための蒐集や探求を行い、または地域アイデンティティの醸成と深い対話を促進するための、いわば社会デザイン・プロジェクトでもあります。多様なプロジェクトを通じてより良い社会のためのアイデアの発掘と実践を目指しています。

2023ロマンチック台三線芸術祭  会期:6月24日から8月27日